ヘルシンキ&タリンゆったり一人旅:ヘルシンキ編
スカンジナビア半島ってどこにあるかご存知でしょうか。冬季オリンピック種目であるノルディック複合(クロスカントリースキーとスキージャンプ)と言えば、荻原健司と次晴選手の兄弟が活躍したこともあり、世代によっては耳慣れた言葉であるかもしれません。ノルディックの国々(Nordic countries)はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、アイスランドの五か国を指し、スカンジナビア半島には最初の三か国が位置しています。スウェーデン、ノルウェーは王国ですが、フィンランドは共和国です(君主がおらず、複数政党の議会制民主主義の国であり、国家元首として大統領がいる)。EUに加盟し尚且つユーロを使用している北欧で唯一の国でもあります。1323年にはスウェーデンの一部であり、1809年にロシアに割譲され、1917年にロシアから独立しフィンランド共和国となりました。その後、第二次大戦中に2回にわたるソ連との戦争を経験したものの、1948年にはソ連との間に「友好協力相互援助条約」を締結し、1955年には国連に加盟しました。国土防衛を中核とし、18歳以上の男子は兵役があります。
ヘルシンキはとにかく物価が高いです。コーヒー一杯が6ユーロ(€1≒¥128)ケーキと一緒に注文すると€12(およそ1500円)は下りません。通常の消費税は24%で、飲食等は14%の税金が内税でかかっていますが。では、一人当たりのGDP(2018年IMF名目GDP)を見てみると、フィンランドは49,845米ドルで世界15位、ちなみに日本は39,306米ドルで26位となっていますので、経済的には豊かな国であると言えますが,それでも物価が高い!フィンランドと言えば「全ての人々が社会保障および社会福祉・保健サービスへの共通かつ平等の権利を持つという普遍主義の原理に基づき設計されている高福祉社会」ではありますが、それを支えるためGDPに対して税金と社会保障費が44%を占める(2015年)など国民の負担は大きくなっているようです。それでもやはり、経済的格差はあるように見受けられました。実際に住民の方にお話を伺うと、世界的な評判ほどではないようです。特に若年層(15~24歳)の失業率が22.4%と極めて高く、精神的疾患に苦しんでいる若者対策も急がれるようです。
フィンランドと言えばPISA国際学力比較調査(主に先進国を中心とした15歳の児童の学力調査)で常に上位にランクインしており、自由度の高い授業と教育の専門スキルを身につけた修士課程修了の教員による質の高い教育で有名であり、義務教育、高等教育まで学費は無料という教育大国です。義務教育として7歳から16歳までの基礎教育後、高等学校または職業専門学校へと進み、高等教育機関である大学と高等職業専門学校と続いています。公用語はフィンランド語とスウェーデン語で、標識等はすべて両言語で記載されていますので、なかなかなじめませんが、個人的に会話したフィンランド人はみなさん流暢な英語で対応していただきました。
歴史的建造物の街並み、公園の美しさ、丁寧で親切な対応、比較的安心して散策できる治安のよさ、カフェ&スウィーツ、シンプルなデザインで統一されたおしゃれなヘルシンキ、何度でも足を運びたい、とっておきの異国です。
参考資料:フィンランド大使館
外務省フィンランド共和国
名目GDP(IMF統計2018年)
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