人新世(アントロポセン)の時代への警鐘
前回のブログでも紹介していますが、人間の活動が地球の生態系や気候に与えている影響があまりにも大きいため、地質学的に見て、地球は新たな年代に突入したと、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンが言っています。地球の気温上昇を産業革命以前(17世紀ころ)に比べて1.5度未満に抑えるには2050年頃までに二酸化炭素排出量ゼロを目指す必要があるといわれております。もしそうできなかったら、ある時点で地球にスイッチが入り凍土融解に歯止めが利かなくなったり、生態系が壊滅的な打撃を受けるであろうといわれております。われわれの経済活動(森林伐採や鉱物資源等の資源収奪から生産・消費・廃棄・不燃物の体積による地球への負荷)が地球の表面を覆いつくした年代「人新世・アントロポセン」、今こそ本気で地球のことを考えていかなければならないのではと思います。「人新世・アントロポセン」まずはこの言葉を多くの人に知ってもらいたいと思います。
イスラエルの研究チームが警鐘を鳴らしています。なんとコンクリートやプラスチックなどの人工物の総量が植物や動物の総量を上回ったとのこと。1900年頃の人工物の総量は生物量の3%程度であったものが、1950年以降の都市開発などによって人工物の総量が生物の総量1.1兆トンを上回ったそうです。現在の社会では、地球上の人が毎週自分の体重以上の人工物を生み出していることになっているとは衝撃としか言いようがありません。
今日の"Smart English" は、この記事の一部をご紹介します。
2020 marks the point when Human-Made Materials overweigh All the Living Things on Earth.
2020年は人間がつくり出した物質(コンクリートなどの人工物)が地球上のすべての生物量を上回る目印の年になる。
*human-made materials: 人間がつくり出した物質(人工物) overweigh:しのぐ まさる all the living things:すべての生物
We are living through a new geological era in which human activity is the dominant force shaping Earth's climate and environment, which scientists have dubbed the Anthropocene.
われわれは人間の活動が地球の気候や環境を形作る優勢な(支配的な)力になっている新しい地質学の時代を生きており、科学者たちはそれをアントロポセンと称する。
*geological era: 地質学の時代 dominant force: 支配的な力 shape: 形作る dub:称する
*何度も声に出して読んでみましょう。一歩一歩の積み重ね..........
参考資料:https://time.com/5919294/human-materials-biomass-2020/
朝日新聞 2020年12月17日 「科学」参照
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