"Smart English" Day 11: 読書と英語
前回のブログでも引用させていただいているが、斎藤孝先生の『読書する人だけがたどりつける場所』を読みながら、自分がいかに読書から疎遠な生活をしてきたか、そしてそれは実にもったいないことであったと悔やまれる。斎藤先生の読書量は言うまでもないことだが、この本の中で紹介してある70~80冊に及ぶ文献の数々、個人的に購入して本棚に並んでいる本もたくさんある。改めて寸暇を惜しんで読書の時間に充てたいと思っている。
先日は世界的文学賞の一つである全米図書賞を芥川賞作家、柳美里さんの小説「JR上野駅公園口」が受賞したとのこと。「1964年東京オリンピック前年に出稼ぎ労働者として上野に上京、高度経済成長ののち、そこでホームレスとなった男性が主人公。柳美里さんが一貫して取り組んできたテーマ「居場所のない人に寄り添う物語」です」(http://web.kawade.co.jp/bunko/3906/)
2000年頃の上野公園と言えばブルーシートで覆われたホームレスの人々のシェルターがたくさん並んでいたのを思い出す。そこで銀杏を売って生活の足しにしていたであろう人々が思い出される。高度成長の別な社会の姿であったろうと、そんなことを思い出しながら、是非とも読んでみたいと思っている。
そんな折、今度はイギリスの文学賞であるブッカー賞の発表があった。受賞者はDouglas Stuartさんの'Shuggie Bain'である。貧困の現実に疲れてアルコールに溺れていく母と息子、母親として、貧困から逃れたいと願う息子の気持ちを応援するも、アルコールが息子との仲をむしばんでいくという内容であり、自伝とのこと(https://henry-syohosen.hatenablog.com/entry/booker2020short)。
今回の"Smart English"はこの記事に関する英文をご紹介したい。
"For Stuart, working on 'Shuggie Bain' gave him a way to process the trauma of his childhood and to pay tribute to his mother, who died when he was 16."
「スチュアートにとって、'Shuggie Bain'を書くことは彼の子供時代に受けたトラウマを整理していく方法であり、彼が16歳の時に亡くなった母親へのお礼(賛辞)でもあった」
*process:整理する trauma:精神的に受けた傷(トラウマ)pay tribute: 感謝の気持ちを表す
この本もぜひ読んでみたい。時間が許す限り、原書で読みたいものです。
***可愛らしい紫色の花に一目ぼれしました。教室の仲間入りしています。
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