大学入学共通テストの難しさを実感しました

1月16日(昨日)に実施された共通テスト(国語・英語・地歴公民)が新聞に掲載されております。ほぼ毎年少しだけではありますが、かじる程度に解いております。さて現代社会の第一問(小問の8問構成)は政治思想関連項目です。問題を解く前に、「読まなければならない文章量の多さ」に驚きました。中江兆民からモンテスキューの政治思想、裁判制度、さらには行政に関する知識、最後に政党の政策に関する問いと、実に広範な知識が要求されています。問7は個人的に少し厄介な問題でしたので、紹介させていただきます。「国会審議活性化法」をご存知でしょうか。1999年に成立し、国会議員が官僚に頼らず審議する体制をつくるための法律で、政務次官が廃止され、2001年から副大臣 22人と大臣政務官 26人を置くことなどが決められました。身近な例では、厚生労働副大臣に参議院議員の 三原じゅん子さんが任命されています。受験されている高校生のみなさんの広範な知識が試されています。「国会審議活性化法」勉強させていただきました。国会議員のみなさんは官僚に依存することなく、自らの言葉と政策で答弁しておられるか、明日から開催される通常国会が楽しみです。

英語のリーディングも手ごわいです。何しろ複数の資料を照合したり、読まなければならない分量の多さに圧倒されます。きっと、時間が足りないと、悲鳴を上げた方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

"Smart English" Day 18: 今回は 現代社会の問題に関連して、ルソーの『社会契約論』の一節をご紹介します。中江兆民はルソーの『社会契約論』を紹介し、自由民権運動に多大な影響を与え、「東洋のルソー」とまで言われております。ここでご紹介する主題の部分はとても有名です。英語で味わってみてください。

Man is  born free, and everywhere he is in chains. Many a one believes himself the master of others, and yet he is a greater slave than they. How has this change come about? I do not know. What can render it legitimate? I believe that I can settle this question. * many a one: 多くの人たち slave:奴隷   render:~にする legitimate: 正当な 筋道の通った   settle:解決する

人間は自由なものとして生まれた、しかもいたるところで鎖につながれている。自分が他人の主人であると思っているようなものも、実はその人々以上にドレイなのだ。どうしてこの変化が生じたのか?わたしは知らない。何がそれを正当なものとしうるか? わたしはこの問題は解きうると信じる。

*何度も声に出して読んでみましょう。毎日の積み重ね、一歩、一歩、一歩............

参考資料:ルソー 『社会契約論』 岩波書店 2015年 第85刷 

Jean-Jacques Rousseau "The Social Contract" wordsworth edition


英語&教養講座の生涯学習「まなびの広場」

ANAで勤務した後、結婚、子育てしながらの専業主婦から一念発起し英語の勉強を始めました。テンプル大学日本校の大学院で英語教育を修了した後、英国のエセックス大学大学院で社会学を修了しました。宮崎市に教室を開設しております。小学5・6年生、中・高生からシルバー世代まで対象の教室です。基礎英語から時事英語、社会を見る眼が養われる教養講座を開講しております。詳細はブログで随時紹介しております。

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