2021年に贈る言葉;″学びのチカラ″で、人生は楽しくなる
生涯学習「まなびの広場」の事務所を開設して8ヶ月が過ぎようとしております。コロナ感染症の拡大とも相まって難しいかじ取りを余儀なくされておりますが、「学び喜び、学ぶ楽しさを実感しました」といったご意見に後押しされて、地道ながらも講座を維持することができております。この場をお借りして深くお礼申し上げます。
さて2020年最後の「まなびの広場」は私の大好きな國分功一朗先生の「人はなぜ学ばないといけないの?」をご紹介して締めくくりにしたいと思います。
國分先生曰く、「「環世界」をたくさん広げていくことで、人生を豊かにしていくことができる」と。「環世界」とは生物学者ユクスキュル(1889~1976)の提唱した概念です。生き物にはそれぞれの生き物の世界というのがあって、その中で生きている。例えばイヌはイヌの「環世界」を生きているが、盲導犬と普通のイヌの「環世界」は違っている。盲導犬の場合には人間の手助けをするのだから人間の「環世界」に近づかないといけない。背丈も嗅覚も人間とは全く違うイヌだが、それでも訓練によってイヌ自らの「環世界」を変更し人間の「環世界」に近づくことができる。すなわち、何らかの学習によって「環世界」は変化しうるということ。
想像してください。あなたは今ローカル線の電車を待っています。1時間に一本しか来ないローカル線。予定時刻よりも早めに駅に到着したあなたですが、もしスケッチするのが好きであれば、手帳を出してその辺の景色を描くことだってできます。写真が趣味なら、いろんな角度からシャッターを押してみたり、読書が好きで文庫本を持ち合わせていたら読むことだってできます。俳句に興味があれば一句詠んでみたり、英語の新聞を持ち合わせていれば続きの記事を読んでみたり、音楽が好きならスマートフォンで聴いてみたりと、電車を待っている時間があっという間に過ぎていくはずです。つまり、「環世界」がたくさんある人はどこからでも刺激を受け取れるし、時間を楽しめる。その「環世界」は様々な学びによって変化し拡大するということです。この学びのチカラによって、「環世界」がどんどん広がり、人生をどんどん豊かにしていくことができる。コロナで移動が制限されている今こそ、「環世界」を広げるチャンスかもしれません。いろんな世界が発見できる旅人になってみるのもいいかもしれません。
参考資料:『人はなぜ学ばないといけないの?』NHK Eテレ哲学番組から 河出書房新社 2015年
"Smart English" Day 14; 変異したコロナウイルス感染が世界各地で報告されておりますが、「変異したウイルス」「伝染する」などよく使われている時事英語をご紹介します。
The new variant is considerably more transmissible than previous strains but not necessarily any more dangerous for those infected.
訳:新しい変異種は以前のコロナウイルスよりかなり伝染しやすいが、感染した人にとって必ずしもより危険性が高いというわけではない。
variant: 変異種 considerably: かなり transmissible: 伝染する (transmitが動詞) previous: 以前の strain: 遺伝する性質のウイルス infected: 感染した
*何度も声に出していってみましょう。
*英語の勉強には一歩一歩の積み重ねが大事だと思います。
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